不動産を相続したものの、登記簿謄本に見慣れない権利の名前が並んでいると、放置するのは良くないと誰もが考えるでしょう。
しかし、書かれている内容が何を意味しているのか、自分にどういう影響をもたらすのかを知らなければ、正しく対応するのは困難です。
そこで今回は、不動産に設定されている根抵当権とは何か、そのまま引き継ぐ方法や抹消する方法について解説します。
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不動産に設定される根抵当権とは?相続との関連性
登記簿謄本をよく読み込んでみると、右端の枠内に融資を受けた日付や金額などが書かれているのがわかりますが、その権利の内容まで知っていますか?
根抵当権とは?どんな権利?いつ設定されるのか?
根抵当権とは、不動産の売買をしたことがある方は耳にしたことがある言葉ですが、どのような権利を持っているのか、どういうときに設定されるものなのか詳しく知っている方は少ないでしょう。
一般的に、土地や建物を購入する際は金融機関などから融資を受けますが、融資を受ける際には万が一返済が滞ってしまうことを考慮して、金融機関に担保となるものを預けます。
担保になるものとは、債務を弁済する手段としてあらかじめ債権者に預けるもののことで、土地や建物、保証人などです。
この担保する権利を抵当権と呼び、基本的には1つの融資に対して1つ設定されますが、何度も融資を受けたいケースにはその都度手続きをおこなわなければなりません。
根抵当権は、あらかじめ上限となる金額を決めて融資をするため、取り決めた金額以内であれば何度でも登記の手続きなしで融資を受けることができる権利です。
抵当権と異なる4つの点とは?
似ているようでどこか違う2つの権利ですが、具体的に違う点は借入額・債権・権利の移譲・連帯債務者の4つです。
ここまでという上限金額を取り決めて融資をおこなうため、明確な借入金額は融資を受け続けている間は確定しません。
同じく、借入額が決まっていないことから、いつまでに返済を完了させるという明確な時期も決まっておらず、返済終了日は未定のままとなります。
権利を移譲するには債務者の許可が必要とされており、これも融資を受けている間は債権の内容が確定していない根抵当権ならではの特徴です。
4つ目の違いの連帯債務者についても同じく、債権の内容が確定していない状態では支払う金額や期間が定まっていないため、連帯債務者をつけるのはできないと考えられています。
根抵当権設定の不動産の相続を急ぐべき理由とは?
一般的には、不動産を相続した場合は同じく財産を引き継ぐ権利を有する方々が一堂に集まり、話し合いの末に全員が納得してから相続手続きへと移ります。
財産を引き継ぐ手続きに期限はありませんが、相続税の申告には期限が定められているので、できるだけ早いほうが良いでしょう。
しかし、根抵当権が設定された不動産を相続した場合は、これとは別の理由から諸々の手続きを急がなければなりません。
それは、相続開始から登記をせずに6か月が経過すると、自動的に元本確定がおこなわれ、根抵当権の効力が失われてしまうからです。
引き続き根抵当権を利用したいと考えている場合には、相続手続きを急いで進め、6か月以内に債務者変更の手続きをする必要があります。
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相続する不動産の根抵当権をそのまま引き継ぐ流れ
不動産に設定された権利をそのままに財産を引き継ぐためには、6か月以内に債務者変更の手続きをおこなう必要があります。
期間内に手続きを終えるために、まずは手続き全体の流れを把握し、手続き漏れを起こさないことが大切です。
債権者に相続が開始されたことの連絡をする
根抵当権をそのまま引き継ぐ手続きには、債権者が発行する書類が必要になるため、早い段階で債権者である金融機関などに連絡をします。
まだどの財産を誰が引き継ぐか確定していない状態であっても、金融機関などが書類を発行するには時間がかかるため、先に連絡をするのがポイントです。
遺産分割協議で誰がどの財産を引き継ぐか決定する
財産を引き継ぐ権利を有する方が全員集まり、遺産分割協議をおこないますが、ここで根抵当権が設定された不動産を誰が引き継ぐか確定させます。
故人の所有するすべての財産、相続人が何人いるか、それぞれの関係性などの違いから協議にかかる時間はさまざまです。
事業継続のためであれば、ある程度人数は絞られると考えられますが、自分の都合だけを考えた提案をすると、協議が拗れやすいので気を付けたほうが良いでしょう。
すべての財産を誰に分配するかが決まったら、その内容を遺産分割協議書にまとめ、相続登記の手続きへと進みます。
不動産の所有者が同じケース・違うケース
不動産の所有者と債務者が同一であるケースでは、不動産の所有者を変更する所有権移転登記と債務者を変更する債務者変更登記をおこなえば完了です。
不動産の所有者と債務者が異なるケースでは、指定債務者の合意の登記をおこない、相続後の融資の債務者が誰であるかを確定させます。
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相続した不動産の根抵当権を抹消するための方法
不動産を相続したものの、根抵当権が設定されていた場合、どうやってこの権利を抹消することができるのか、3つのケースで解説します。
何もなかったことにできる相続放棄手続き
プラスの財産もマイナスの財産も1つも引き継ぐ意思がない場合には、財産を引き継ぐ権利を放棄する手続きで、根抵当権の効力が自分にかからないようにすることができます。
放棄の手続きは、故人の財産がプラスのものよりも借金などマイナスの財産が多いときや、プラスであっても財産を必要としない場合にとる手段です。
最初から財産を引き継ぐ権利を有していなかったとみなされるため、故人の財産関連に巻き込まれることはありません。
ただし、相続があったと知った日から3か月以内に手続きをする必要があるため、手続きする時間が切迫しています。
3か月を経過してからの放棄の手続きは、原則として認められていないため、放棄したい場合には急いだほうが良いでしょう。
財産は引き継ぐが権利だけを抹消したい場合
不動産は引き継ぐが、根抵当権は抹消したい場合には、現状で債務が残されているか残されていないかを確認する必要があります。
前債務者の債務が残されていない場合、登記簿に記録された権利だけが残っている状態となるため、債権者である金融機関などに連絡して、両者が合意のうえで抹消手続きが可能です。
根抵当権の権利は返済が完了していたとしても、再び融資を受ける可能性があるため、自動的に抹消されることはありません。
権利を抹消するには債権者と債務者が互いに権利の抹消に合意し、抹消に必要な書類を債権者から発行してもらい、法務局で手続きをおこないます。
債務が残されていた場合の抹消手続きは?
もし、前債務者の債務が残されていた場合には、根抵当権を抹消するために元本確定をおこない、返済を完了させてから、抹消手続きへと進みます。
根抵当権は債権が確定していないため、まずは元本の確定をおこなって、返済する金額と日付の確定をおこないます。
この元本確定は、相続開始から6か月間手続きされなかった場合に自動的におこなわれる手続きのため、何らかの理由によって手続きせずに6か月経過すると、自動的に確定する仕組みです。
元本確定が済んだら、残されていた債務を完済しますが、自己資金で支払うか相続した不動産を売却したお金で支払うかを選べます。
不動産売却を予定しているならば、売却価格が債務の金額を超えていれば、売却したお金で債務を完済することが可能です。
すべての債務を完済すると権利の抹消手続きへと進むことができるようになるので、債権者に必要書類を発行してもらい、法務局で手続きをおこないます。
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まとめ
聞き慣れない言葉が出されると、どう対処して良いか正しい判断はどれかと焦ってしまいますが、落ち着いて調べれば対処は可能です。
まずは自分がどうしたいのかを明確にしてから、期限が迫っている手続きから1つずつ進めていきましょう。
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ネクストホープ不動産販売 メディア 担当ライター
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