不動産の売却には専門知識を有する不動産会社が介入するのが一般的であり、主に2つの方法があります。
まずは不動産会社が売主から直接物件を購入する「買取」。
もうひとつは不動産会社が一般顧客に向けて物件の販売活動を行い買主を探す「仲介」です。
今回は不動産売却における買取と仲介それぞれの違いとメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。
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買取とは
不動産会社が売主から直接物件を買い取る方法です。
購入後は不動産会社がリフォーム、リノベーション工事を施して資産価値を高めた上で再度商品として販売します。
このことから「買取再販」と呼ばれることも。
取引経験に長けた不動産会社が買主になるため、余計な時間をかけずスピーディーに売却できます。
購入希望者の探索や内覧、条件交渉などのプロセスも省けるため、売主の負担も大幅に軽減できる手段です。
買取を専門で行う不動産会社も多く存在し、個人顧客にはハードルが高い大型物件や、権利関係が複雑な共有持分などさまざまな事情を抱えた不動産買取にも対応しています。
仲介とは
売主が不動産会社に物件の販売活動を依頼し、そこで見つかった買主に売却します。
買主の多くは個人顧客という点が買取との違いです。
不動産会社はあくまで販売のサポート役であって、誰に売るかは売主が判断します。
ポータルサイトや不動産流通機構(レインズ)など独自のネットワークから効率的に買主を探せるのが強みです。
仲介を依頼するにあたっては不動産会社と媒介契約を締結します。
媒介契約には「専属専任媒介契約」「専属媒介契約」「一般媒介契約」と3種類あり、依頼する不動産会社を1社に絞るか否か、売主自身でも買主を探せるか否かで違います。
仲介と買取のメリット
買取のメリット
早期に売却できる
買取りの魅力は、購入希望者を探す必要がなく不動産会社が購入を決断すれば短期間で売却を進めることができる点です。
仲介では価格査定から物件引渡しまで通常3カ月程度かかるところ、買取であれば最短2週間程度と期間を大幅に短縮できます。
さらに不動産会社が持つ知見を活かして、売却時に陥りやすいトラブルも事前に回避。
不測の事態によって売却スケジュールが遅延する心配もありません。
仲介手数料が発生しない
仲介を使って不動産を売却すると、買主を紹介してくれた不動産会社に成功報酬として仲介手数料を支払わなければなりません。
売買代金が400万円を超える場合の仲介手数料額は(売買価格×3%+6万円)×消費税で計算され、売主が負担する費用の中で多くの割合を占めます。
買取であれば不動産会社に買主を紹介してもらう必要はないので、仲介手数料は発生しません。
契約不適合責任が免除される
シロアリ被害や雨漏り、騒音など契約書に記載されていない欠陥や不具合が売却後に見つかった場合、買主が売主に対して損害賠償や契約解除を請求できます。
この規定は契約不適合責任と言い、物件購入後のトラブルから買主を保護することを目的とした制度です。
ただし不動産会社が物件を買取るケースは例外です。
不動産取引のプロを保護する必要はありませんので、契約不適合責任は免除されます。
一方で売主が欠陥や不具合を知りながら不動産を売ってしまうと、たとえ買取でも契約不適合責任は免除されないので注意が必要です。
他の人に知られずに売却できる
仲介では売却したい物件の情報をインターネットや紙面広告などで公開しながら販売活動を行います。
そのため不動産を売却する事実を不特定多数の人に知られることになるでしょう。
物件が特定されないように公開する範囲や情報を限定した上で販売することも可能ですが、購入希望者の門戸を狭めてしまいます。
購入希望者が内覧しているところを目撃され、隠し通せなくなることも。
買取では販売活動や内覧を行わないため、近隣住民や知人に知られることはありません。
リフォームの必要がない
仲介の場合は購入希望者のモチベーションを下げてしまうような著しい劣化、汚れ等は売却前にクリーニングやリフォーム工事をおこなう方が望ましいケースもあります。
一方で買取の場合は売却後に不動産会社の負担ですべての工事を実施することが前提です。
現状のまま買い取ってもらえるので、売主が工事費用を負担する必要はありません。
住宅ローン特約で契約が白紙にならない
多くの買主は住宅を購入する際、ローンを組みます。
ローンの本審査に通るかどうかは売買契約締結後でなければわかりません。
買主を守ることを目的として住宅ローンが組めなかった場合は売買契約を白紙とする規定を住宅ローン特約と言います。
個人顧客に売る場合はこの特約を付けることが一般的であり、ローン審査が通らなければ契約自体が水泡に帰す恐れがあります。
それと比べて買取では住宅ローン特約はありませんので、確度の高い売却が可能です。
仲介のメリット
売却価格が比較的高くなる傾向がある
不動産会社のネットワークを活用しながら広く購入希望者を募集するため、物件を高く評価してくれる顧客層にもアプローチしやすいのが魅力です。
ニーズに合致する物件であれば、高い価格で売り出すことができます。
ただし長期間購入希望者が現れなければ、価格の見直しが必要になることもあります。
購入検討者から物件の客観的な評価を聞ける
長く住んでいると物件が持つ資産価値を客観的に判断するのは困難です。
仲介を利用するとさまざまな購入希望者が内覧に訪れるので、物件に対する率直な感想や評価を聞くことができるでしょう。
そのような意見を参考に、他物件と比較しながら価格が適正かどうか判断することができます。
そのほか自分では思いもよらなかったアピールポイントを発見し、より効果的な販売活動につなげられるかもしれません。
買取と仲介のデメリット
買取のデメリット
売却価格が比較的安くなる傾向がある
前述のとおり不動産会社は物件買取後にリフォーム、リノベーション工事を施し再度商品として販売することを想定しています。
不動産会社はこれら一連の事業にかかる経費を加味した価格での購入を希望するため、仲介で販売するよりも価格が安くなるケースが多いです。
また売主の契約不適合責任が免除され、不動産会社が一定のリスクを抱える点も価格に影響を及ぼすでしょう。
仲介のデメリット
買主が見つかるまで時間がかかる場合がある
一から購入希望者を探す手法のため、価格査定から売却まで長い時間がかかることを覚悟しなければなりません。
駅から距離が遠かったり築年数が古かったり物件にマイナスポイントがある場合は、販売開始から1年以上経っても売れないことがあります。
もし購入希望者が現れても内覧対応や契約条件交渉などの調整が必要で、すぐに売却できるとは限りません。
途中で交渉決裂となり、振出しに戻ることも日常茶飯事。
根気強く売却までのプロセスを踏む必要があります。
したがって売却の期日が明確に決まっている方にはあまりおすすめできません。
まとめ
ここまで不動産売却における買取と仲介の違いについて解説しました。
それぞれにメリット・デメリットがありますが、売主の負担を抑え早期売却を希望する場合は買取が適しているでしょう。
どちらが良いか迷う場合は、次の2つの準備作業をおすすめします。
まずは売却したい不動産の相場価格がどの程度なのか把握してください。
不動産の一括査定サイトを利用すると、複数社の査定を同時に受けることができます。
それぞれの査定結果を比較すれば、おおよその相場価格を掴むことができるでしょう。
次に自分が不動産売却に求める優先事項を考えてみてください。
物件特性にもよりますが一般的には、スピード重視で早く売却したい方には買取、価格重視で高く売却したい方には仲介が向いています。
不動産会社に相談する前に、この2点を整理しておくと売却を円滑に進められるでしょう。
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