相続で手に入れた農地。
ずっと放置したままにするより、売却を検討している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし農地の売却は「難しい」とも言われています。
どうして売却が難しいのか、どのような条件であれば売却できるのか。
決められている条件などを確認しながら、具体的な売却方法などをみていきましょう。
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農地は固定資産税などもかかるため、できるだけ早く売却したいところですが「売却が難しい」というのが現状です。
広い土地を売るのだからすぐ売れるのではないか?
とも思いますが、一体なぜ売却が難しいと言われているのでしょうか。
日本の「食料自給率」が大切だから
日本の食料自給率は、他の先進国と比べてかなり低いと言えます。
2018年度では過去最低記録で、37%にまでの低下していると、農林水産省による発表がありました。
国力を保つためにも、食料自給率を維持する「農地」は必須です。
要するに、国にとっても大切な農地を、すぐに売却されてしまうと困ってしまうから、さまざまな制限がかけられているということです。
実際、日本の食料自給率は年々低下しており、輸入に頼りきっている部分が問題にもなっています。
アメリカの食料自給率は130%だと言われているので、それに比べるといかに日本の自給率が低いのかが見えてきます。
「農地法」による売買の制限があるから
売却を防ぐ制限の一つとしてあげられているのが「農地法」です。
相続で得た農地を売却したくても、すぐにできないというのはこの農地法があるからです。
この法律により農地の購入ができるのは、農業従事者か、地域の農業委員会から許可をもらった者のみという決まりがあります。
つまり新しいビジネスなどに農地を活用したい人がいても、農業をおこなったことがない人物だと購入が難しいのです。
しかし国の高齢化が進む現在、使わなくなった農地がたくさんあるのも事実。
雑草などが生い茂った、一切手がつけられていない農地なども存在します。
それらを放置してしまうと、害虫などの発生により、近隣への苦情になる可能性も拭いきれません。
さまざまな制限があるなかでも、どうにか売却をおこない、有効活用してもらえる人の手へと渡ってくれるのが一番ですよね。
申請などの手続きが多い
相続で得た農地を売却しようとすると、一つのハードルとして、申請などの手続きが多いことがあげられます。
このような手続きが面倒だから、という理由で長年放置している農地を持った方も少なくありません。
必要書類の準備や、多くの組合への同意書など、どうしても土地の売却には、時間と労力が必要となります。
しかし、管理せずに放置したとしてもどんどん荒れていき、資産価値は下がる一方なので、早めの売却がオススメです。
農地を売却するための条件
手続きやさまざまなハードルがある農地の売却ですが、一定の条件を満たしていれば売却はもちろん可能です。
ここからは、相続で得た農地売却に「どんな条件が必要なのか」みていきましょう。
農地のまま売却する場合
農地の売却には、相手に「農業ができる設備」が整っていることが必須です。
具体的な条件はこちらになります。
●農業委員会の同意を得ている
●農業を専業にしてる
●50ha以上(地域によって変化)の農地を保有
●所有する農地すべてで農業をおこなっている
●農業に必要な人材と機械がある
このように、農地の売買は普通の不動産とは違い、買い手への条件がつけられています。
そのため相手がなかなか見つからないこともあり、売却までの審査にも時間が必要になります。
国の食料自給率の維持とはいえ、厳しい条件だとも言える農地の売買。
これらの「条件に当てはまる買い手」を見つけるところからなので、自力でおこなうとなるとかなりの労力がかかってしまうことがわかります。
では、次に農地以外の転用を希望する場合、どのような条件が出てくるのか見てみましょう。
農地以外の利用で売却する場合
相続などによって取得した農地は、農地以外の転用を目的とした売却もおこなうことができます。
農地以外に転用して売却を希望する場合、転用が可能かどうかの審査から始まります。
具体的な条件は以下の二つになります。
●立地基準の条件が満たされている
●転用後の一般基準を満たしている
「立地基準」というのは、市街地からどれくらい近い場所なのか、などが判断材料となり、転用すべきかどうかが審査されます。
農地に適した土地の場合は転用の許可が下りづらく、逆に市街地から近い場合は転用しやすい土地として許可を得やすくなります。
そしてこの「立地基準」からの許可が下りた後に、「一般基準」を満たしているのかの確認がおこなわれます。
具体的な確認内容は下記のとおりです。
●転用してからの事業の計画性
●申請どおりの事業がおこなえるのか
●近隣への影響はないか
このように、主に事業の確立性があるのか判断されます。
誰もが納得できるような転用理由でなければ、審査は通りづらいと見るべきでしょう。
農地を売却する方法
それでは最後に農地を売却する方法についてです。
これは転用をしての売却か、農地のままの売却なのかによっても、手順が変わってきます。
それぞれの売却方法を確認していきましょう。
農地のまま売却する場合
相続や他の事情で農地を得た場合、そのままの売却なら、下記のような手続きになります。
●買い手を探して売買契約の締結を結ぶ
●売却の許可申請をおこなう
●買い手の仮登記の確認
●農地の引渡しと本登記を完了させる
まず一番重要な「買い手」を見つけるには、自力で見つけるか、農業機関を利用するか、不動産業者を利用するかの3つの方法が主になります。
そもそもの買い手が見つからなければ次に進めませんので、これらの方法をすべてを使い探すのがオススメです。
農地以外の利用で売却する場合
農地以外で転用を目的とした売却なら、不動産の活用がオススメです。
その理由は転用に必要な書類や手続きの多さから、一人でこなすと負担になり、相談相手が必要になるからです。
具体的な売却方法は下記になります。
●不動産会社への売却依頼の申請
●農地転用許可を申請
●売買契約の締結と本登記の完了
転用を目的とした売却は、経験豊富な不動産会社に任せることで、スムーズな売買が可能になります。
厳しく設けられた転用許可の審査を、どうしたら通るのか。
このような難しいことを一人で考えるよりも、プロに任せることで、効率よく売却まで運ぶことができます。
農地売買のポイントは?
一般的におこなわれるの不動産売却とは、全く異なる農地売却。
書類などの手続きの他に、ポイントとして確認しておきたい事項をみてみましょう。
周辺設備の環境は整っているか
転用での売却は、周辺設備の環境を整えることも必要となります。
具体的に、もし住宅地としての利用を希望するなら、建築基準法に基づいた環境にしないといけません。
周りがすべて農地で、道路に面してない場合は建築に不適切となるため、まずは周辺の道路整備から始まります。
こうなると費用もさらにかさむことになるので、しっかりと確認を取リましょう。
売却時に発生する税金の確認
農地を売ることになった場合、「譲渡所得」が発生します。
そのため所得税と住民税がかかりますが、どれくらいかかるかは広さや金額で全く異なります。
せっかく高い利益がでたのに、税金で多く持って行かれては勿体ないですよね。
特別控除などの措置がとれるため、税理士との相談などで対策が可能です。
過去の相続登記の確認
相続での農地を手にした際、チェックしたほうがいいのは「相続登記がされてるのか」ということです。
登記自体にも費用がかかるため、過去に正確な登記がされていなかったケースも少なくありません。
登記完了してるか心配なときは、簿謄本などでの確認を取ってみましょう。
まとめ
相続で農地を売却したいと思っても、条件や手続きなど、さまざまなタスクが出てきてしまいます。
どんな「やるべきこと」があるのか確認の上、スムーズな売却をおこなえるようにしましょう。
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