マンション探しをしていると、RCやSRCなど、見慣れない言葉を目にすることもあるでしょう。
なんとなくわかってはいても、その種類の特徴やメリット、デメリットまでしっかりと理解している人は多くありません。
ここではマンション選びのご参考になるよう、お好みに合わせてどんな種類のマンションを選べばいいかをご説明します。
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マンションの作り方にはいろいろな種類がありますので、1つずつ解説していきます。
小規模のアパートでは木造が採用されていることもありますが、ここではマンションに絞って、S造、RC造、SRC造と呼ばれる3種類に絞ってご紹介します。
S造(鉄骨造)
スチールのSの名前がつけられたS造は鉄骨造とも言われます。
S造は強度を人工的に高めた鉄骨を中心に使っていて、コンクリートは使われていません。
コンクリートを使う他の構造よりも軽く扱いやすいのが特徴です。
軽いと地盤強化も必要ないことが多いですし、運ぶコストも少なく、取り扱いの負担も少なくなります。
S造には2種類あり、6ミリ以下の厚さの鋼材を用いた軽量鉄骨と、それより厚い鋼材を使った重量鉄骨に分けられます。
軽量鉄骨は一戸建ての住宅やアパート、お店や工場などに使われ、重量鉄骨は高層のビル、階数の多いマンションなどに使われることがよくあります。
このように、S造は多様な用途に使うことができる適応力の高い構造です。
RC造(鉄筋コンクリート造)
コンクリートを流し固めるときに、鉄の棒(鉄筋)を軸にして建築する構造のことをRC造と言います。
現在、これがマンションで一般的に用いられている構造で、10階以下の高層ではないマンションが建築されるときによく採用されています。
ただし、最近は軽量コンクリートと新開発された工法を使って、20階以上の建物でもこの構造が採用されることも増えています。
優れたポイントが多く、費用と機能のバランスが良いことから特に好まれています。
SRC造(鉄筋鉄骨コンクリート造)
こちらは鉄骨を芯としてその周りに鉄筋を組んで、さらにコンクリートを流し固めた構造です。
のちにご説明するRC造の丈夫さに加えて、他の素材に比べてやわらかい鉄骨が入ることで、衝撃を緩和することができます。
そのためご紹介した3つのなかでもっとも耐久性があり、大きなビルやタワーマンションに多く採用されています。
マンション構造の特徴から見るメリット
3種類の構造についてお話してきましたが、これからはそれぞれの特徴から見たメリットをご説明します。
S造のメリット
さきほどS造には2種類あるとお伝えしましたが、そのどちらの鉄骨であるかによってメリットも大きく違います。
まず、軽量鉄骨の場合は短い工事期間で済み、さらに費用も抑えられるということがあげられます。
軽量鉄骨を用いた工法は、あらかじめ工場である程度作られたものを現地で組み立てる「プレハブ工法」が主流です。
そのため、安価なだけでなく現場の作業員の負担も少なく済むため、家賃をなるべく抑えたい賃貸マンションで使われることが多い工法です。
次に重量鉄骨の優れた点としては、広く自由な間取りが実現できることがあげられます。
重量鉄骨を使ったものは、ドイツ語で「枠」を意味する「ラーメン構造」が主流です。
太い重量鉄骨を支えにすることにより、支柱の本数が少なくて済むため、大きな窓や出入り口を設けるなど、レイアウトの幅が広がります。
RC造のメリット
RC造では、耐火性、耐震性、耐久性、気密性、防音性に優れていることが大きなメリットです。
コンクリートは熱で燃えることのない素材のため有毒ガスが発生する心配も少なく、耐火性に優れています。
コンクリートだけでは曲がる力には弱いのですが、曲げに強い鉄筋が加わることで、しなやかに衝撃を吸収することができます。
そのため、耐震性にも優れていますし、約120年という長い耐久性を実現しています。
さらにコンクリートは防音性も高い素材なので、隣の部屋の話し声がすべて聞こえてしまう、などということにはならないでしょう。
このRC造の優れた点の多さ、バランスの良さから、多くの分譲マンションで採用されている工法であることにも納得できます。
SRC造のメリット
SRC造はRC造に似ていますが、機能的に大きく差が出るのは内部に鉄骨も使われていることです。
そのため、SRC造はRC造の持つ頑丈さや済みやすさと、さらにS造の柔軟性が追加されて、両者の優れた点を併せ持っています。
SRC造の耐火性、耐震性、耐久性、気密性、防音性はRC造と変わりなく優れています。
そこに鉄骨が入ったことで、重いコンクリートを使う量が減り、RC造よりも重量が軽くなります。
さらに、鉄骨のおかげでRC造よりも柱部分が小さくできますので、レイアウトの幅が広がります。
この特徴によって、高級な高層マンションでは他とは違うおしゃれな作りの部屋を実現することができるのです。
また、しなやかな鉄骨の働きにより、SRC造は他よりも優れた耐震性があります。
マンション構造の特徴から見るデメリット
それぞれの構造の良いところをたくさんお伝えしてきましたが、やっぱりそれぞれにデメリットもあります。
S造のデメリット
S造は他のマンション構造に比べると、防音、耐火、耐熱性に劣ります。
構造的に防音性の高いコンクリートを使っていないことから、隣や上下の部屋の音はよく聞こえてしまうことも多いでしょう、
木造より多少は防音性が高くなりますが、それでもRC造やSRC造と比べると遮音性はありません。
そのため、静かに暮らしたいのであれば防音のための素材を入れるなど、工夫が必要となります。
また、火にも強いコンクリートを使っていないことで、耐火性でも劣ります。
鉄骨はしなやかな分、火の熱でやわらかく変形してしまう性質があり、火災のときには危険があります。
火災に備えるなら、屋根や外壁などに使う素材を耐火性の高いものにするなどするといいでしょう。
RC造のデメリット
RC造は防音や耐火、耐熱に強い分、S造に比べると費用が高くなる傾向にあります。
また、コンクリートが重いので、マンションを建てる際には地盤の工事が必要になることも多いです。
そうすると工期も伸び、建築費用が高くなりますので、その分家賃や物件価格に影響してしまいます。
さらに、気密性の高さから結露が発生しやすくなり、外気の熱や寒さがこもりやすくなります。
ただし気密性が高いということは内部の空気を逃さず、エアコンが効きやすいということでもあるので、適度に換気しながら空調をうまく使えば快適に過ごせます。
SRC造のデメリット
機能的に優れた面の多いSRC造ですが、その分建築費用が他よりもかなり高くなります。
そのため、この構造は高級な高層マンションでしか採用されることはほとんどありません。
工事の工程も複雑で大規模なため、工期も他の構造より長くかかります。
耐震性や耐久性、デザイン性でも、もっとも優れている構造ですので、安く済ませることよりも快適で安心な建物に住みたい、と考えている人にぴったりです。
まとめ
ここでは、マンションを建築する際に一般的な3種類の構造についてご説明してきました。
それぞれの特徴から、良い点と悪い点がありますので、ご自身の希望の暮らしから理想のマンション構造を見つけてください。
マンション選びの手助けになりましたら幸いです。
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