不動産の相続が起こった際は、どのような税金の種類をいくら支払うのかわからず不安に感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
将来、不動産の相続をする予定のある方は、相続時に支払う税金の種類や税金対策について知っておくと安心です。
今回は、不動産を相続した際に支払う税金の種類や計算方法、税金対策について解説します。
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不動産を相続した際は、いくつかの支払う税金の種類が発生します。
不動産を相続した際に支払う税金の種類を確認しておきましょう。
登録免許税
不動産を相続した際は、不動産の名義を被相続人(故人)から相続人に名義変更しなければなりません。
不動産の名義変更は法務局で所有権移転登記をおこないます。
不動産の所有権移転登記で課税されるのが登録免許税です。
登録免許税の金額は、次の計算式で算出することができます。
登録免許税=固定資産税評価額×0.4%
固定資産税評価額とは、固定資産税の税額を決めるために毎年市町村によって算出される金額です。
固定資産税は、1月1日の時点で不動産を所有している方に課税される税金で、毎年春ごろに固定資産税納税通知書が自宅に届きます。
固定資産税評価額は、固定資産税納税通知書に記載されています。
固定資産税納税通知書がない場合は、役所の固定資課税台帳の閲覧や、固定資産評価証明書を取り寄せることで固定資産税評価額を知ることが可能です。
登録免許税の納税方法は、原則として現金納付となっています。
金融機関で登録免許税納付用の用紙に記入し、登録免許税を支払います。
その後、支払った際にもらう領収証書を法務局に提出することが必要です。
登録免許税が3万円以下の場合は、法務局で収入印紙を購入し申請書に貼り付けて提出することも可能です。
相続税
相続により不動産を含めた一定の金額を超えた遺産を相続した場合は、相続税が課税されます。
遺産には不動産のほかにも、現金や預貯金、有価証券や負債なども含まれます。
相続税を計算する際は、最初にこれらの遺産総額を計算することが必要です。
遺産総額からは、負債や葬儀費用を差し引くことができます。
ただし、香典返しの費用や墓地の購入費用、法事にかかった費用などは差し引くことができません。
これらの計算により算出された遺産総額から、基礎控除額を差し引きます。
基礎控除額を差し引いて出された額が相続税の課税対象となる金額です。
次に相続税の計算方法や、相続税の課税価格を計算する際に必要な基礎控除額について解説します。
不動産を相続した際の税金の種類とは?計算方法を解説
相続税の計算方法の流れについて解説します。
①遺産総額から基礎控除額を差し引く
相続税の課税対象である課税価格を計算する際は、最初に遺産総額から基礎控除額を差し引かなければなりません。
基礎控除額の計算方法は以下のとおりです。
基礎控除額=3,000万円+600万円×相続人の人数
たとえば、相続人が3人の場合、3,000万円+600万円×3=4,800万円で、基礎控除額は4,800万円になります。
相続した財産の総額が4,800万円以下ならば、相続税は課税されないということになります。
基礎控除額を差し引いても課税額が生じるのなら、相続税の納付が必要です。
②相続人ごとにそれぞれ相続税を計算する
基礎控除額を差し引いても課税価格が生じる場合は、次の計算方法によって相続税を算出することができます。
相続税=課税価格×税率-控除額
税率と控除額は、遺産総額の金額によって次のように異なります。
●1,000万円以下:税率10%・控除額0円
●3,000万円以下:税率15%・控除額50万円
●5,000万円以下:税率20%・控除額200万円
●1億円以下:税率30%・控除額700万円
これ以降も2億円以下、3億円以下と遺産総額ごとに税率が異なります。
相続人が複数人いる場合は、相続人それぞれの相続税を計算し、最後にその数字を合計したものが相続税となります。
その際、相続の割合は実際に相続する割合でなく、国が相続の目安として定めている法定相続割合を使って計算することに注意が必要です。
法定相続割合では、配偶者が2分の1、子どもが4分の1と定められています。
上記の基礎控除額の計算でも記載したとおり、相続人が3人の場合の基礎控除額は4,800万円です。
遺産総額から基礎控除の4,800万円を差し引くと2,200万円で、課税価格は2,200万円ということになります。
この金額を用いて配偶者と子ども2人の相続税を計算すると以下のようになります。
配偶者の課税価格:2,200万円×2分の1=1,100万円
子どもの課税価格:2,200万円×4分の1=550万円
次に上記の税率と控除額を用いて相続税の計算をします。
配偶者の相続税:1,100万円×1.5%-50万円=115万円
子どもの相続税:550万円×10%-0=55万円
③実際の相続割合に応じて配分する
上記の例を使えば、115万円+55万円+55万円で相続税の総額は225万円となります。
この相続税は、実際の相続割合に応じて配分することが可能です。
遺言書が残されていれば遺言書とおりに配分します。
遺言書がなければ、遺産分割の配分を協議する遺産分割協議をおこない割合を話し合いましょう。
不動産を相続した際の税金の種類とは?税金対策を解説
相続税の節税対策ができる方法について解説します。
住宅資金贈与制度
住宅資金贈与制度とは、住宅資金を生前贈与することで、最大1,000万円まで非課税にすることができる制度です。
親からだけでなく、祖父や祖母から孫で贈与する場合も対象となります。
生前贈与を非課税ですることによって、相続時の相続税対策をおこなうことができます。
ただし、住宅資金贈与制度を利用する場合は、贈与を受けた翌年3月15日までに居住用の家屋を新築、もしくは取得し、居住しなければならないなどの適用要件が設けられています。
また贈与を受けた翌年に確定申告をおこなわなければ非課税とならないことにも注意しましょう。
配偶者贈与制度
配偶者贈与制度とは、婚姻期間が20年以上の夫婦間に認められている優遇制度で、「おしどり贈与」とも呼ばれています。
配偶者贈与制度では、マイホームの贈与やマイホームの購入のために夫婦間で贈与される2,000万円までを非課税とすることができます。
生前贈与することで2,000万円までが非課税となるため、相続税支払いの対策をすることができます。
ただし、配偶者贈与制度を利用して妻がマイホームを取得した場合、取得税や登録免許税などの税金を支払わなければなりません。
また固定資産税が毎年課税されることにもなります。
そのため、相続税の基礎控除も考慮し、どちらを利用する方が節税対策ができるのか検討することも大切です。
相次相続控除
相次相続控除とは、10年以内に立て続けに相続がおこった場合に利用できる優遇制度です。
たとえば、父が亡くなり母と子どもが相続を受け、相続税を支払ったとします。
その後、母が10年以内に亡くなり相続が起こった場合、子どもはいくつかの適用要件を満たすことで、相続税の金額を控除されるというものです。
最初の相続で、母が優遇制度を利用し相続税の支払いが免除されている場合は相次相続控除の適用外となります。
また遺言書により法定相続人以外の方が相続した場合も適用外となることに注意しましょう。
まとめ
今回は、不動産を相続した際の税金の種類や計算方法、税金対策について解説しました。
相続が起こった際には課税される税金の種類は、登録免許税と相続税です。
相続税は基礎控除額を差し引いてプラスだった場合に支払う税金で、すべての方が支払う訳ではありません。
相続税を節税できる優遇措置を知って、税金対策をおこなっていきましょう。
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